本記事はアメリカ人にとってUSスチールがどういった存在なのかを考察した記事です。買収までの流れを本記事でも記載していますが、詳しく説明を行っていないため、USスチールの買収について詳しい流れを知りたい方は他の記事を読むことをお勧めします。
2024年の終わりから現在に至るまで話題となっているUSスチールの買収騒動について、バイデン前大統領がUSスチール買収を阻止、それに引き続きトランプ現大統領もUSスチール買収の阻止を表明。それは一体全体どうしてなのか歴史的背景から考察してみました。(`・ω・´)キリッ
USスチールとは
まずUSスチールについて説明していきます。
アメリカ合衆国のペンシルベニア州ピッツバーグに本社を置き、アメリカ合衆国と中央ヨーロッパに大きな生産拠点を持った総合製鉄会社であり、1901年にアメリカ合衆国で設立された[1]。また、この会社はアメリカ全体の2/3のシェアを誇っていたが徐々に衰退し、現在は全世界で27位の鉄鋼製造を行っている会社であります。
買収騒動の簡易的な流れ

上記の世界の粗鋼生産ランキングにおいてTOP10をとっているほとんどの企業が中国の企業であり、アメリカの製鉄業が下降気味であり、
また、USスチールはこの10年間で4回最終収益が赤字となっており、経営が厳しい状況にあります。
しかし、アメリカの鋼材の消費量は中国、インドに次いで3位であり、需要がないわけではありません。
そこで日本の日本製鉄が買収し、アメリカへの販売ルート確保とともに鉄鋼生産ランキングで上位3位に入ろうとしているわけです。
日本製鉄とUSスチール
彼らは完全に合意しています。[2]
日本製鉄側にとってはアメリカに市場を拡大できる、製造量を増やし、上記のランキングの3位にランクインできるなどのメリットが挙げられます。
USスチール側にとっては社員のリストラをすることがなくなる、会社の名前が消えるわけではない、株を高値で買い取ってくれるなどのメリットがあります。
買収できない要因
政治的な背景が挙げられます。
要因としては全米鉄鋼労働組合(UWS)と大統領が強く反発しているため買収できないのです。理由としては安全保障上のためとなっております。
アメリカ人にとってUSスチールとは(考察)
ここからが本題となります。
なぜアメリカはUSスチールを買収させないのか、
それは、アメリカ人にとってUSスチールは強さの象徴であったからなのではないかと考えられます。
戦争が行われていた当時、武器として軍艦、戦闘機、銃器、軍用車両など様々なものが造られました。それらの主な材料は鉄です。質の良い武器を作るにあたって材料である鉄も質の良いものを作ることが必要でありました。
質の良い鉄を作り、強い武器を作り、戦争で日本に勝利したアメリカにとって
当時、鉄鋼業界のトップに君臨していたUSスチールは強さの象徴となる、特別な存在であったのではないでしょうか。
その強さの象徴であった会社が日本に買収されようとしているのだから、確かに嫌悪感を抱く人も少なからずいるのではないでしょうか。
大統領が素直に買収を認めると一部の国民から反感を買いそうですね。
ましてや選挙中の出来事ということもあり、全米鉄鋼労働組合を敵に回すことができなかったのではないでしょうか。
今後について
今後の展開としては日本製鉄、USスチールが全米鉄鋼労働組合、大統領と裁判で買収騒動について争っていくと報じられております。
日本にとっていい報告が聞ける日を楽しみに待っております。
まとめ
ここまで読んでくださった方ありがとうございました。
本記事は考察であるため実際の内容と大きく異なることがあります。真に受けず、あくまで一つの考察であることを念頭において読むようお願いいたします。
参考文献
[1]Wikipedia,https://ja.wikipedia.org/wiki
[2]東洋経済ONLINE, https://toyokeizai.net/articles/-/723069?display=b
[3]日本経済新聞, https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN18C910Y3A211C2000000/
[4]ヤフーニュース, https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/d27e273a1400aab0ef65bb975ecddb9e45161cb1
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